KAKAMIGAHARA PARK BRIDGE

岐阜県各務原市那加雲雀30-1
 パークPFI事業として提案されたこの建物は、JRと名鉄が並走する鉄道線により分断された2つの大きな公園をつなぐ役割を果たしている。特に敷地南側のJR高山線と、北側のメタセコイアの並木道と挟まれた敷地周辺に賑わいをつくる目的で、この施設は計画された。
 外観はメタセコイアの巨木の並木道に、この建物の杉の軸組が自然に溶け込んでいる。
 全体で東西に10分割されており、西側の7スパンがあそび場、2スパンが事務所やトイレ、店舗が、最も東側1スパンは、1階は外部に向けた店舗が、2階はテラスとなっている。東妻面の中央に、外部からテラスへ上がる階段が作られているため、この部分は合掌の丸柱で上部の桁とトラスを支えている。内部空間は、外周を150mm×270mmの柱が1,820mmピッチで連続し、中央部に直径30cmの丸太の柱が建ち並ぶ1室の大きな空間となっている。あそび場には建物と同時に計画された大きな遊具が備え付けられており、子どもにとって、魅力的な空間が広がっている。多くの子どもたちが、自分達で好きなように遊んでいる様や、使い込まれた床の板材は、この建物が多くの人に受け入れられている証である。
 木材は、メンテナンスがされることによって良さを増していく。この建物の運営に、施工会社も加わっており、木造の良さが維持されている。引き続き十分なメンテナンスが加えられ、良い建築として存続していくことを期待する。また、内部の遊具についても、こどもの育ちに良い刺激を与え続けるために、メンテナンスに合わせて変化させていけるとよいと感じる。 (櫻木 耕史)
 敷地は、各務原中心部にある「各務原市民公園」とその北側にある「学びの森」の中間に位置し、南にJR高山線と名鉄各務原線が通る。この二つの公園をつなぐことから施設にBRIDGEの銘が付けられている。元は岐阜大学の施設があったところで、敷地の北側には、石畳の敷かれた見事なメタセコイアの並木道が隣接している。施設は、Park-PFIを活用し、設計、建設、運営までトータルな整備が行われた。
 建物に近づくと木の架構と深い軒を持つガラス張りの建築が見えてくる。南と北にある公園の間に建つため、南立面と北立面には壁を設けず、ガラス張りで表裏のないデザインとなっている。外部に張り出した木の架構は、樹木のように上部に向かって広がる形状をし、その架構と同じ間隔でパネル状の扉が整然と並んでいる。扉は使われ方、季節、時間帯により開け放たれたり閉じられたりし、建築の表情に変化を与え楽しい。透明性が高い空間とリズミカルな架構は、北に隣接するメタセコイアの並木にも呼応し、親和性が高い。
 また南北方向に及ぶ力を受ける構造体を外部に出すことで、内部空間をすっきりさせている。これにより内部は、中央に300φの丸太が並ぶだけのニュートラルなガラス張りの空間になる。こだわりは、木の架構にも見られる。扱い慣れた尺のモジュールを採用し、地元の原木を調達して余すことなく使い、平行弦トラスを含め架構は大工の手刻みによるという。
 現地を訪れたのは秋分の日、施設内は多くの家族連れで大変賑わっていた。内部の遊具も設計者によるもので空間になじみ違和感がない。また、公園で使える遊具やキャンプ用品のレンタルも行われている。先にも述べたとおり設計、建設、運営までトータルで整備がなされたことの良さが出ている。ハードとソフト、施工の親密な関係、維持管理に対する安心感など建築のあり方を考えさせられた。 (森 哲哉)
主要用途 公園施設
構  造
木造
階  数 地上2階
敷地面積
2,336.72㎡
建築面積
933.72㎡
延床面積
980.12㎡
建築主 各務原学びの森株式会社
設計者 飛騨五木株式会社 5boc architectS
施工者 株式会社 井上工務店

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