上荒屋の住宅所在地 :石川県金沢市 |
金沢の中心部から少し外れた静かな住宅地に建つ住宅である。外観はシンプルなデザインであり、ファサード側は出入り口と上層部の小窓のみ、外装は落ち着いた光沢の金属板であるが、周囲の住宅街と違和感なく調和して佇んでいる。 1階のダイニングに面する部分や2階の吹き抜けには日光を受け入れる大窓があり、生活方向には十分な開口を設けている。内部は大きな吹き抜け空間を中心として、4つのレベル差を持つオープンな空間で構成されている。シンプルな外観とは異なり、内部は木造で包まれた温もりある空間が広がり、そのギャップもむしろ興味深い。 1階は生活の中心としてダイニング・キッチンとリビングが配置され、その奥に水回りがある。2階は吹き抜けに面する通路に手すり兼オープンデスクが巡り、どこでも読書や勉強などができるようになっている。その目線の先には、自然とリビングやダイニングの風景が映ってくる。 通路の奥には数段上がって将来の子供部屋スペースがある。また、2階通路から逆側に半層上がって主寝室があるが、この場所はボックスとして閉じられている。ただし、吹き抜け側には内部の小窓があり、必要に応じて開閉できるようになっている。この半層下の空間は小スペースとして空けられており、座ったり寝転んだりして作業や趣味を行える場となっている。 このように、住宅としてはあまり大きい規模ではないが、大小合わせて多様な空間が用意されている。大きな遊具の中に身を置いたようにも感じられ、家族を身近に感じる楽しい生活風景が演出されている。 | ||||||||||||||||||
(川普@寧史) | ||||||||||||||||||
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