社山の家

所在地 :愛知県東海市
 郊外の新興住宅地に建つ住宅である。画一的な住宅が並ぶ中で、設計者は周辺環境との新たな関係を考えて、敷地の真ん中に一辺が約7.5mのキューブ状の建築を配した。
 1階には個室が並ぶ。2階に上がると大きなリビングを中心に、そこから廻るように約1mずつ床をスキップさせた、屋内外が連続したような空間が広がる。2階テラスと3階部分は上部に大きな屋根がかかった半屋外空間であり、粗密感を出しながらルーバー状に張られた杉板の外壁で適度に外部と距離感を持ちながら、光や風の通り抜ける心地よい空間を創っている。
 この豊かな空間が坪50万円のローコストで出来ている。杉板張りの外壁の耐久性に不安もあるが、若いクライアントの妹さんが大工さんらしく、楽しくメンテナンスをしてくれるであろう。
 まちと緩やかにつながる意図と反して周囲に対して閉ざされた印象がある、建物周囲の“余白”の部分が活きていない、など気になる点もあるが、若い建築家たちの意欲ある作品に小気味よさを感じた。
(陶器 浩一)
主要用途 一戸建て住宅
構  造
木造 一部鉄骨造
階  数 地上3階
敷地面積
224.22u
建築面積
65.62u
延床面積
154.07u
設計者   岩田知洋
 + 山上弘 建築設計事務所
施工者  株式会社 大日建設

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