JPタワー 名古屋所在地 :愛知県名古屋市中村区名駅1−1−1 |
JR名古屋駅と直結するJRゲートタワーに隣接する大型複合施設である。郵便局を中心に商業施設、レストラン、地下街、オフィス、バスターミナル、タワーパーキングなどからなる複合施設である。特に、隣接のJRゲートタワーからの接続が配慮され、貫通通路やバスターミナル、地下通路の接続、歩道の拡幅(アベニューガーデン)によりJR名古屋駅方面からの人々が円滑に利用できるようになっている。 3層吹き抜けのエントランスのアトリウムには、巨大な空間オブジェの設置やメディア・アートが投映され、上質な内装デザインで来館者を迎えている。また、アトリウムと接して配置された店舗「KITTE NAGOYA」の内装や照明、サインのデザインも洗練されている。低層部分の外装は透明度の高いガラス面で構成されているため、大通りからの外観として、これら店舗の上品な賑わい風景が街に表出されている。 メインとなるオフィスフロアはフレキシブルな利用に対応できる機能的な仕組みであるが、13階のオフィスサポートフロアは「樹上のオアシス」をコンセプトに、高級感のあるラウンジ・スペースやカフェ、食堂、会議室を有し、商談や接客などに対して上質のもてなしができる工夫がなされている。 この他、この建築ではアトリウム以外にも2階オフィス・エントランスのオブジェ、2階貫通通路における和紙壁、低層階エレベータホールや会議室階における左官壁など、アートプロジェクトをふんだんに取り入れていることが空間デザインの特徴となっている。また、貫通通路の先にはテラスと大階段からなる潤いのある公共スペース(ステップガーデン)が設置されており、くつろぎのある滞留空間を提供し緩やかに街へとつなげている。 以上のように、公共空間の提供、外観および内部空間のデザイン、構造・環境性能、施工精度に至るまで非常に完成度の高い公共的建築として仕上がっている。 | ||||||||||||||||||||
(川普@寧史) | ||||||||||||||||||||
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