所在地 :愛知県名古屋市中区丸の内3−5−18 |
オフィスというものは日本で類型が決まっていて、中々新しい型(形ではない)やプログラムの出現が難しい建築の一つである。特に愛知県歯科医師会館の規模で、1つの団体の建築である要求がかなり決まっており、地域に積極的に開放するとか、何らかの形で別のプログラムが入らない限り新しいものは日本からは出にくい。 この建築は、プロポーションが良く、前の公園や横の日本家屋や寺社ともうまくバランスが取れている。公園側から見える軽いグリッド状の立面の構成では、色々なチャレンジをしている。風の取り入れ方、外部の溶融亜鉛メッキのパネルで囲まれた格子等良くデザインされている。強いて言えば1階のエントランス部分が少し低く、暗く、重い感じがした。1階部分のプログラムや解放感等、何かもうひとアイデアあったらもっと良かったと思う。また最上階の景色の良いところのブラインドが閉められていて少し残念に思った。2階の廊下部分の照明、上階の各部屋と廊下との間の仕切りのガラス等、細かい部分のデザインも良かった。色々と制約があって出来ないのだろうが、この建築家であればもう一歩進んで、新しいオフィス空間の在り方を示せるのではないかと思った。 競合する建物が非常に優れたプログラムを持っていたり、場所性を持っていたので、オフィスというプログラムだけで戦うのが難しく、惜しくも入選となった。 |
|||||||||||||||||||||
(新居 千秋) | |||||||||||||||||||||
|
|