所在地 :石川県金沢市若松町セ104−1 |
福祉法人が運営する新しい街が生まれました。
市街地から30分以内でたどり着く緑豊な場所に、高齢者施設だけでなく、障害者も学生も健常者一緒に生活し、売店、ライブカフェ、料理教室、温泉施設と就労出来る場所も街の中につくられていて、世代を越え人と人との関係をおおらかに包括する街。 本館と呼ばれる建物は、知名度高い食堂や温泉施設とディサービスが併設されていて、見晴らしの良い休憩所に一般客と入所者が一緒にくつろいでいる。 そのような今までに無い施設のあり方は、分け隔てない人と人とのつながりを大切にする福祉法人の考え方が顕著に現れている。 住まいやショップ、入所施設が集まるエリアも今までの福祉施設とは異なっていて、一般の人も車も行き交う開けた場所をつくって地域に開放、というよりもそのコンセプトに参画出来る魅力的な人達が集まり、人の叡智が生かされた地域づくりへと上げている。 人も街も「ごちゃ混ぜ。」と関係者は説明されるが、木立の中にタウンハウスが並ぶ町並みが程よい距離を保っている。小川が流れる散策路を歩いて、ドックランやライブカフェや自然食品を扱うショップを巡り、そこに就労している人やボランティアの学生、住民との間に会話が自然と生まれる。 なんとも心地よい暮らしの場所が随所に作られていて、老後を迎えたら移り住むのではなく、どの世代もすぐ住みたくなる魅力ある街になっている。 建物群だけを取り上げて見ると、新しさや特化した場所がある訳ではないが、これからの生活環境や地域コミュニティーのあり方を示唆する試みに特別賞の価値がある。ごちゃ混ぜの街の展開が大変楽しみである。 |
|||||||||||||||||||||
(川口 亜稀子) | |||||||||||||||||||||
|
|