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今年で3年目の審査委員長を務めさせてもらっている。最初の年のコメントは住宅部門の建築が凄くレベルが高く、一般部門はまだまだだと書いた。それに反応して頂いたかどうかは分からないが、一般部門が除々にレベルを上げ、今年は12組が現地審査に残り、審査のかなり細かい部分にも論議が及んだ。というのも2012年入賞者の菅原大輔さんが中部建築賞を受賞されたのを契機に、2014年日本建築学会作品選集及び作品選集新人賞に選ばれたので、是非今年は歴史ある中部建築賞を更に格調の高いものにしたいとお話したことにもよると思う。結果として7つの入賞、2つの入選、2つの特別賞ということになった。解説すると、@「やすらぎ 森のスタジアム」は構造とその配置における美しさ。A「クリニックかけはし」は病院の本来あるべき型。Bうれしの東保育園の「カンガルーのおうち」は光の取り入れ方、子供たちの隠れ家の様な空間。C「金沢市立小立野小学校」はオープンな学校の有り方、建て替えの難しさを乗り越えた地道なデザイン。D「サイエンスヒルズこまつ」やE「琵琶湖エコトーンホテル」は、萎縮しがちな日本の建物では珍しく元気な形がある。F「若鶴大正蔵」は減築して新しい機能を入れるという保全のやり方の工夫が高く評価された。G「ドラゴン・コート・ビレッジ」はデザインやプログラムのレベルの高さが評価されたが、耐久性の問題等が指摘され、またH「愛知県歯科医師会館」はデザインの質の高さが評価され、共に入選になった。I「尾張大国霊神社儺追殿」は少し無骨になった部分もあるが、木造だけで作り、今後の歴史的建築の方向性を示している。J「Share金沢(シェア金沢)」はそのプログラムの良さや穏やかな建築が高く評価されて特別賞になった。
住宅はあまり振るわなかった。年々住宅のレベルが下がり気味なのが残念だ。「Turn, Turn, Turn,」の優れた空間構成、「コヤノスミカ」、「ワークショップ」等の割り切りの良い空間を含めて5つの入賞と、2つの入選になった。ぜひ来年は住宅部門は最初の年に戻って、日本をリードする案が幾つも出ると良いと思った。
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(新居 千秋) |
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