所在地 :愛知県名古屋市 |
古い町工場の形態と鉄骨の構造体を残しながら、内部に木造で住居スペースを入れ子状に挿入した町工場から住宅へコンバージョンした作品です。町工場のボリューム、ファサードのデザインを残すことで、従来の街並みを継承しています。内部は1階に土間空間、LDK、水回り、土間を挟んで奥様の趣味の部屋があり、LDKは従来の工場の天井高を利用して、吹き抜けのあるのびやかな空間になっています。2階は主寝室、子供室でそれぞれの部屋の木造の間仕切り壁は従来の工場の天井まで仕切らず、個室ですが上部で空間が繋がっていて、上部に家形の工場の天井が見えます。新しく作られた空間の要素と工場の持っていた空間の要素が交じり合い豊かな空間を作り出しています。 入れ子にすることで、工場のALCの外壁と木造の内部の壁の間に隙間ができ、断熱や空気の流れるスペースとして利用し良好な熱環境を実現しています。四季を通じて空調設備に頼らず快適な生活が送れるそうです。空間的にも隙間から工場の構造体を見せ歴史の重層を感じさせたり、大きな隙間は子供たちの遊び場(ロフトのような空間)として利用したり、新旧の空間の特性をうまく生かしています。 |
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(貴志 雅樹) | |||||||||||||||||||||
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