所在地 :静岡県下田市 |
青い海を存分に堪能する非日常空間。 伊豆下田の国定公園の海に面して建つ別荘は、プライベートビーチさながらのロケーション。 広大な青い空と海、広がる砂浜に白い建物が一段と映える。 細い8本の柱とガラスで構成される3階建ての建物は、各階すべて海の眺望を楽しむワンルームとなっているが、視点を変えることで、風景の違う海を体感できるように計画されている。 1階ゲストルームから、はまひさ垣でビーチの人からの視線をさえぎり、 大きく延びた庇と生け垣の緑の水平ラインに囲まれた海の風景は、切り取られた絵画の様に美しい。テラスに繋がるバスルームはビーチから直接シャワーが浴びれる動線となっている。 2階はガラス張りの吹抜けがダイナミックで、海と一体となれるリビングスペース。ミースの家具が引き立っている。オープンキッチンは生活感を無くすことに徹したディテールで存在を稀薄にさせている。 3階はプライベートルーム。吹抜けに面してベットが置かれ浮遊感ある場所となっている。 素材は大理石とガラスに徹している。スリットはガラス貼りとし、壁面はミラーを貼るなど細部まで行き届いたディテールで生活に必要な要素だけを抽出しており、徹底的に無駄を省き、ただ海と向き合い自然の中に身を投じる場所となっている。 計画する上で参考にした建物は山寺や投入堂、桂離宮の月見台と以外にも日本の古建築。名建築の簡素美を取り入れ、分解し自然と一体となれる場所として現代の空間にうまく再構築され表現されている。 クライアントの住む東京から3時間車を走らせてたどり着く。忙しい日常から心も身体も開放され浄化し再生出来る場所としての完成度の高さが評価できる。そして背に山を抱き、白い砂浜と青い海の中でこの建物が自然と一体化される過程も楽しみである。 |
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(川口 亜稀子) | |||||||||||||||||||||
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