所在地 :静岡県御前崎市 |
外観の黒いガルバリウムの鋼板で囲われた四角い一見閉鎖的な箱は、外との関わりをあえて抑えて、内なる空間の演出とその効果をねらっている。 玄関を入ると室内全体が同じ空気が漂い、その中に家族5人(ご夫妻+男の子供さん3名)が自由な居場所を設定できる空間を構成している。つまり個々の室という単位は存在せず、家族それぞれが気ままに居心地のよい居場所を見つけることができる仕組みになっている。 四角の家の真中に、家型をしたインナーボックスの中2階をつくり、現在は子供3人の寝床になっている。その周囲の本来なら廊下の一部とも言うべき空間に、1階はDK、ユーティリティー、2階は勉強コーナー、夫婦の寝室、収納などが、開放的にはり付いている。 小住宅でありながら意外と狭さを感じさせないのは、壁の各所に開けられた開口の光の変化、立体的に床の変化を与えている空間構成、それと床から壁、天井までラーチ合板で仕上げた一体感によるものだと気付いた。ローコストを目指したこの仕上げは一見荒っぽくなりがちだが、ディテールと仕上げの丁寧さによりそれを感じさせないのは、設計者と施工者の力量であろう。家族の成長と共に将来この家がどのように変化していくのか楽しみな住まいとなっている。 |
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(清 峰芳) | |||||||||||||||||||||
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