所在地 :愛知県豊橋市石巻町字間83−23 |
豊橋市北東部郊外、石巻山(いしまきさん)の山裾に広がる柿畑に囲まれた幼稚園舎の建て替え工事です。30数年前、自然とのふれあいから、心豊かな創造性を育むことを目的に創設された幼稚園は、計画道路東三河環状線の工事が実施されることになり、既設幼稚園舎全体の計画をみなおし、園児の安全を担保しながら、一期から三期に渡る工事計画を立て、園児の目の前でこの美しい園舎は、建設されていったそうです。計画道路の想定される騒音を円周状の回廊を設けることでやわらげ、水周りをその回廊からBOXを外部につき出すように配置してあり、そこには幼児のいろいろな目線の高さで外の風景を眺めることができるようになっていました。 又、三期の工事計画に沿って遊戯室や保育室を増設するためのツールとして保育室の隔壁をダブルウォールにすることでスムーズに繋いでおり、その部分はギャラリーと名付けられ、園児たちの親子参加のワークショップを実施、透明な折半の屋根の下の4mmの天井板に自由な穴の絵を書き、お父さんたちが穴開け作業に参加して制作されました。傑作を通していろいろな形の光が太陽の動きに合わせて壁やフローリングの上に日々刻々と変わる光の模様を描いていました。 あまりに美しいこのギャラリーの光の造形は、床や壁にできるその時々の光のかたちが子供達の心にどんな物語を伝えてゆくのかと想像すると楽しくなります。写真で見ただけの時は少し暑いだろうと想像していましたが、私達が訪れた9月はさわやかな風が吹いて涼しく、『東西に解放された窓で風の流れを生み出す機能を待たせているから今年の夏も涼しかった』との設計者の言葉でした。 全体計画では、敷地の東西に高低差があり保育室と遊戯室との高さの違いを園庭に基準をおき無理なく敷地に対応させる。外回りも自然な土地なりの法面で仕上げるなど 後ろ姿もリズム感があって美しい幼稚園に仕上がっています。 |
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(冨田 真知子) | |||||||||||||||||||||
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