所在地 : 岐阜県岐阜市 |
地方都市の中心部の増幅する空地とコミュニティの断片化がいまどの都市でも問題になっている この『すごろくハウス』は、メインユニットとサブユニットでその空地に合わせて増床可能なシステムとなっており地中構造物を残さない基礎ということで、短期借地等地主の不安を解決している。 また、移動することで成立する「すごろくハウス」はスクラップアンドビルドとはならず究極のエコハウスでもある。この小さな居住ユニットは。地域で暮らしながら研究活動を行おうとしている社会学者のために計画された。「高齢化と人口減少による地域コミュニティの空間的縮小と機能的再生」が彼女の研究テーマになっている。現在の勤務先の大学に程近い高齢化の進む農村集落の公民館前の土地に5年契約で設置し先生としては書斎として使用している。中におじゃましてみると、意外に広くゼミの研究生達のたまり場にもなりそうな居心地の良さがある、A4サイズ、CD等3種類のサイズのBOXが間仕切りや本棚として配置してあり居住者の使い勝手の良いように自由に配置できるのだろう。 住まいとして考えても、コンパクトに収められた水周りなど快適なひとり暮らしのできる館でもある。 ディテールデザインが特に優れている、解体・組立が繰返されること・移動のためのデザインがよく検討されている。 分解すれば4トントラックで運搬できる寸法・重量となっている。 場所を選んで暮すというコンセプトで創られたこの居住ユニットは、数年単位で『家を変えずに住む地域を変える』ことを可能にしている。 [人生すごろく]にちなんで『すごろくハウス』と名付けられた由縁である。 現在の農村集落に有ってもなかなかおしゃれで素敵な住まいになっている。 |
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(冨田真知子) | |||||||||||||||||||||
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