所在地 : 静岡県浜松市 |
浜名湖に面して建つこの家を訪れたのは風の心地よい秋の日でした。 幹線道路から少し外れた道沿いのこの家は道路をはさんで浜名湖畔に建てられた住宅です。 床レベルを敷地から1.2mあげられたのは風水害を考慮してのことだそうです リビングルームに立つと目の前に浜名湖の広い水面と青い空が拡がっていました。 その1.2mの高さのせいか交通量が少ないとはいえ前面道路を通る車の視線が気にならず、ゆったりと暮らせる家になっています。 リビングも玄関も一層分の吹き抜けになっていてとても明るい住宅です。 そしてどの部屋からも浜名湖が見える仕掛けになっています。 とりわけ、娘さんがよく湖を見ているという寝室のFIXのガラス窓は湖という一枚の絵のようでした 娘さんもこの家に暮らすようになって、湖を眺め、空の雲の流れを眺めることが刺激になっていったそうです。自然の風景が私達をこんなにも優しい心にさせてくれるとは思いませんでした。 とてもシンプルなプランは、この風景を見せるためだったのかと。夏や冬や雨や嵐と移り変わる風景が娘さんには優しい刺激になり、大人には飽きない絵画のように生活に彩を与えてくれる。 木造2階建てのシンプルな構造は、無理をせず南側の大開口も1間ピッチで柱を立て差鴨居のような考え方で構造的にも解決している。建具を外側に引きそれを感じさせない方法がこの風景を成立させている『どこにいても湖を望みたい潮のにおいを感じたい』という建築主の意向を十二分に実現させたこの家はこれからどのように育ってゆくのか楽しみです。 |
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(冨田真知子) | |||||||||||||||||||||
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