所在地 :愛知県豊橋市船渡町字城戸中4-1 |
豊橋駅より南東部豊橋港の程近くにこの施設はあり、元城跡であり1/3は森であった敷地への移転建替えの施設。2歳から18歳約70名(小学生以上50名)の子供達の住む児童養護施設である。 全体を大きな家族とし、年齢、性別を考慮した生活グループを小さな家族と見立て、住居棟は幼児ユニット、児童ユニット×2の計3棟でなり、男女を1階2階と分け、児童ユニットには、それぞれにキッチンを持つリビングダイニングを配して、『大きな家のなかの小さな家』としてまとめ、緩衝体としてのテラスも光と風を入れるには有効である。エントランス、食堂、図書コーナー等の配置の空間の関係性や行動の領域も適切である。特に2階の談話コーナーは私達が訪れた時も台風一過の後とはいえ、皆仲よく思い思いの姿でゆったりと本を読む等共通の居間として機能していた。 又、ところどころにある楽しいメッセージ性のあるサインデザインは、わかりやすく、彩と遊び心のあるサイン計画であり子供達にも愛着が持てるようよく考えられていて好感が持て、全体に明るく、開口部の位置、大きさ、色彩も適切で工夫されており、養護施設としての暗いイメージ払拭している。管理上閉鎖的にしたユニットとユニットの間の外部空間を部屋から直接外に出られる等縁側的な空間を設けても良かったのではと思う。土や草で優しく覆って、児童が参加して庭づくりをする等グランドとは違った外部空間として工夫が欲しいところです。 また、敷地が城跡ということで、全体の造成計画、グランド計画、外構計画、外部の色彩等に歴史的な環境が反映されていないことは、この建物がここにあるべき意味を考える時少し残念に思うが、今後もこの施設が成長し発展してゆく時にこの点を考慮に入れていっていただければと期待する。 |
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(冨田 真知子) | |||||||||||||||||||||
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