第36回 中部建築賞入賞・入選・特別賞作品選評

審査総評


藤木 忠善

 中部建築賞は今回で36回になります。本賞の精神を継承し、同時に私たちに求められている「持続可能な社会」を目指すという時代の要請に対応し、地域と環境に根ざした優れた作品を見いだすということを念頭に選考が行われました。
 一般部門、住宅部門あわせて101点の応募があり、第1次の審査は9月16日、17日の両日に行われました。応募作品のポートフォリオを審査委員により精査した後、投票と討議によって、一般部門15点、住宅部門6点の現地審査対象作品が選ばれました。
 現地審査は9月中旬から10月中旬にかけて、複数の審査委員によって分担して行われました。現地審査に協力していただいた方々には心から感謝致します。最終審査は10月19日に行われました。各委員から現地審査の報告がなされ、意見交換を十分に行った後、入賞6点、入選9点、特別賞2点が選定されました。
 今回の審査の経緯と結果をみますと、一般部門では、機能や構造に優れた解決を示した作品、地域性や省エネルギーを考えた作品が選ばれました。また、住宅部門では多様な生活に対応できる作品、特別賞では郊外型モールと町家の活用保存の、それぞれの好例が選ばれました。いずれも建築主の信頼を得た、また、中部建築賞の目的である地域社会に貢献できる優れた作品であります。
 最後に、本賞に応募された作品のすべてが、建築主の方々、設計者、施工者、その建築に係わった全ての方々によって、立派に運営され、地域の人々に愛される建築であり続けることを願うものであります。
(藤木 忠善)

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