所在地 富山県新湊市海竜町118 |
もともとこの学校のある地区はのどかな水郷漁村集落として栄えたところです。しかし隣接する放生津潟を利用した富山新港が建設されて以降、村の景観は激変しました。かつての漁村集落とは全く景観の異なる埋立て地の新街区に、コンクリート打ち放しの都市的な学校空間が実現したわけです。 子どもたちのための昇降口から南北軸に直線的に伸びるコリドールは、この学校の骨格となるメインストリートを形成しています。ストリートの東側には、普通教室及び管理関係のウィングが、西側には特別教室と体育館が配置されています。中庭をバランスよく挟み込みながら規則的にウィングを配置しており、1学年1クラスのコンパクトで分りやすい平面型を構成しています。 全体としてガラスを多用することにより、透明性、透過性の強い空間となっており、そのことで校内の様々な活動の様子がどの場所からも視野に入り込んできます。同じ空間と時間を共有するにぎわいが感じられ、学校としての一体感を強く感じます。また平家建ての利点を活かして、普通教室とそれに連続するワークスペースの上部にトップライトを設け、自然採光による明るい生活空間、学習環境を確保しているのが特徴です。 富山県は、全国の中でも早い時期から新しいタイプの学校建築を意欲的に実現してきたところです。オープンスペースを先駆的に取り入れ、標準的な学習空間とは異なる平面構成において教育の可能性を追求し、その実績を蓄積してきています。堀岡小学校は、新しい校舎での生活をはじめたばかりで、屋外の周辺環境整備もこれからです。この新しい環境が子どもたちの成長をどのように支えていくのか、長い目で見守りたいものです。 (鈴木賢一)
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