所在地 :岐阜県土岐市鶴里町細野138
 2つの小学校の統合を機に、岐阜と愛知の県境に近い山あいの中学校の校庭を利用し、小中連携校を目指した木造の小学校です。設計者は、過疎化が進む地方に於いて小中学校時代を過ごす子供たちが、心の深いところに懐かしい風景を思い出として残し、この地で育った事を誇りに思うことを意図しています。
 統合前の2つの小学校で受け継がれてきた創作オペレッタや、種から花に丹念に育て上げる花づくりの事業、校舎の中央にある1階の昇降口や2階の交流スペースから眺めるシンボルである古い時計台、曽木の山々の斜面に造られた段々畑、また小中2つの校舎棟に挟まれた中庭の自然の川を生かした珍しい敷地等、各所に過去を生かした新しい風景がデザインされています。子供たちの健やかな成長には、ゆとりが欠かせません。ゆとりの空間は子供たちに自ら学ぶ力を生み自由な発想力を養います。小規模校であるにもかかわらず様々な工夫によってゆとりの空間が演出されています。
 校舎棟には、大屋根の架構を視覚的に連続感を持たせ全てを一体に見せるようにし、素晴らしい構造美となっています。また従来の廊下の拡幅でしかない北側ワークスペースを南側に考えたことは、使用する教育者に大変好評のようです。
 学校は、地域の人々にとって大切な公共施設であります。講堂、図書室、音楽室、ランチルーム等の機能を、多目的棟に集約する小規模校ゆえの工夫で、地域の交流シンボルとなるホールが実現しました。子供たちには、一見不釣り合いな感じがする宗教的音楽堂の感があります。交叉張弦梁を採用した天井の意匠、音響効果を考慮した側壁のリブデザイン。また50年間育まれてきた学校林の檜丸太の柱など、地域のシンボル的建物となっています。
 木のぬくもりに抱かれながら過ごす日々、時と共に味わいの深まる木、工夫の凝らされた架構形式の連続美、木の空間に新鮮な発見をする建物であります。
(山田 貴明)
主要用途 学校
構  造
木造(一部鉄骨造)
階  数 地上2階
敷地面積
15,832.36u
建築面積
1,616.39u
延床面積
2,345.68u
建築主  土岐市
設計者  株式会社 石本建築事務所
 名古屋支所
施工者  徳倉建設 株式会社
 岐阜営業所

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