所在地 :静岡県浜松市 |
幹線道路から少し入った浜松市の郊外、畑や空地、舗装されていない道が混在。やや無秩序に、住宅地化が進む、田園と地方都市のハザマに、地面から1m程浮かせて、兜を伏せた様に、この住宅は在る。切り取られたようなドアを開けて内に入る。「いきなり小屋裏」大屋根の内側に生まれる、ひとを包容するような独特な空間のチカラ、その魅力のエッセンスのみで住居を構成する試み。「いかにシャープに見せるか」に、拘り“固有の格”を獲得。雑味を出す要素を徹底して省く手法。構成する主材料もRCと木・合板、カラーガルバリウム鋼板、鋼材、ガラスに限定。2×4工法用部材・接合方法による架構と施工の合理化・単純化とデザインの洗練を追及して秀逸・・・ローコスト化も図ることが可能。各個室を必要最小限とし、主空間LDのヴォリュームをより大きく獲得した、コンパクトな住宅 @同間隔で通る大屋根小梁と垂直壁の棚柱、頂部接点に巾止め無し ・・・頂部近くと随所に、固定棚板を千鳥に入れて、座屈防止 一部可動棚板 Aベタ基礎から、そのまま立ち上がるRC造腰壁 ・・・天端には、土台無し、キッチンカウンターと高さ揃える 無機的に陥りがちな「きわめて人工的・システマティックな空間」に、ひょろひょろと風になびくような雑木と灌木、緩やかに起伏を持つ芝張りの地面が、大屋根の下端から内側に越境するように、入り込み、屋根開口を突き抜けたりする様(さま)は、ロフトの地窓から、自然を見下ろすよう。自然的要素と架構に、相乗効果を生み出して、なごみ、落ち着く・・・コンセプチュアルな作品。施主がIT技術者とのことで納得。 |
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(笠嶋 淑恵) | ||||||||||||||||||
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