第42回 一般部門 入賞

所在地 :富山県富山市舟橋南町2−22
 富山県旧知事公館を改修し、新たに文学の展示棟を増築したものです。建物の構成は、旧知事公館を屋敷、展示棟に展示室・収蔵庫のスペースを内包したボリュームを蔵、それを繋ぐスペースを土間と見立てたものです。構造的には蔵のコアの部分で水平力をもたせ、上部に屋根をかけています。従来の民家の構成と構造の合理性を踏まえてデザインされたものです。旧知事公館と展示棟が歴史的構成をベースに一体感を持たせる手法は評価できます。
 また、旧知事公館の庭園のデザインも継承され、旧知事公館のレストラン部分は、庭園に面して作られ、心地よい空間になっています。展示棟のライブラリーも庭に向かい解放され、キャンティレバーの12mの庇とともに、この建物の一番の見どころとなっています。エントランスホールへのアプローチは、庭園とライブラリーを両側に見ながらアクセスできます。蔵を包むアルミキャストの外壁は、地場産の材料を使い、コンクリートの躯体を保護するとともに、雨水の樋の処理も行い、外部に樋が出ないよう細かい配慮がなされています。展示棟内部は、子供が集まる漫画コーナーは吹き抜けのある比較的オープンなスペースにあり、静かに鑑賞する展示は蔵の内部に作られていて騒音を防ぐという配慮がなされています。
 松川べりから知事公館の庭園に向かうランドスケープデザインから建築のディテールに至るまで密度の高い、完成度の高いものとなっています。
(貴志 雅樹)
主要用途 文学館・イタリアンレストラン
構  造
鉄筋コンクリート造 一部 鉄骨造
階  数 地下1階 地上2階
敷地面積
8,466.73u
建築面積
2,738.64u
延床面積
3,070.62u
建築主 富山県
 富山県知事 石井 驤
設計者 株式会社 シーラカンス
        アンドアソシエイツ
 伊藤 恭行
 井原 正揮
施工者 日本海建興・三由建設・ミヅホ建設工事共同企業体
 日本海建興株式会社
  代表取締役 山野 清昭
 三由建設株式会社
  代表取締役 三由 昌成
 株式会社 ミヅホ建設
  代表取締役 長森 竹志

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