第42回 一般部門 入賞

所在地 :愛知県蒲郡市
 蒲郡市のミカン畑が点在する地域の比較的広い道路に面したミカン畑を持つ住宅です。
現在は、ともに福祉施設で働かれているご主人と奥様のおふたりの2度目の住宅になります。兼業農家として、ご主人は週末をミカン畑で畑いじり、ゆくゆくは毎日ミカン畑の世話をしながらゆったり暮らせる家を望まれたそうです。
 蒲郡の山側で交通量のある道路に面してこの家は、堂々と長い瓦屋根を見せて建っています。コンクリートの界壁で守られたエントランスを行くとゆったりとした玄関が迎えてくれます。この建物は大きな屋根の下に大小の箱を配置し、浴室・畳の間それぞれの箱が南にあるみかん畑を切り取り、この切り取られたミカン畑がこの家の庭になります。たとえば畳の間の縁側越しにみかん畑・竹林・山、と借景ながらなかなかの風景となっています。
 大屋根の構造もシンプルな構造となっており、水平な桁を通し、登り梁を均等にかけステンレスの丸鋼を引っ張り材としている。瓦屋根の重量と長い棟をこの構造で維持できるのかが気になりますが、どの部屋からもこの大屋根の構造が見え、全体的におおらかな空間となっています。カーポートを兼ねた作業場は、ミカンの収穫のときは農作業の場となり軽トラックが直接畑に入ってゆくことができ出荷作業もスムーズにできるよう考えられています。
 軒の深い広縁は、悠々と幅を持ち、日々の生活の中でミカン畑が季節の移り変わりを見せて生活の中に彩りを添えてくれるのでしょう、この居心地の良い広縁は、息子さんたちご夫婦や友人たちもよく訪れ、バーベキューを楽しみ、ひと時、賑やかな時間となるそうです。
(冨田 真知子)
主要用途 住宅
構  造
木造
階  数 地上1階
敷地面積
450.17 u
建築面積 184.32 u
延床面積 161.44 u
設計者 株式会社ワーク・キューブ     
 大山 圭史
施工者 株式会社カムロ
 代表取締役 坪内 保憲
 豊田 修弘

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