所在地 : 静岡県熱海市
 熱海駅から北東方面に上る山の中腹斜面一帯が伊豆山地区で、保養施設や別荘も点在する。南東の眼下には相模湾から太平洋が広がり、初島が海上のアクセントになっていて眺めがすばらしい。敷地はまさに南下がりの山の南斜面で、設計者としては海への展望を如何に取り込み、週末のひと時を、精神的に贅沢に過ごすための空間づくりをテーマにすることになる。アプローチは風致地区の山の斜面の一番低い層となり、ここには玄関、車庫、温泉給湯設備まわりが収められていて、見上げた建物の3階の南に突き出た大理石の直方体と、その上に東西に交差して乗る大理石の直方体へは1階からエレベーターで昇ることになる。4階でエレベーターを降りるとDK越しに、3階の南の海に突き出たテラスが広がり、太平洋が眼下に飛び込んでくる。右手はリビングのガラス越しに照葉樹林が広がり、森の中から海を眺める贅沢な気分を味わえる。螺旋階段を3階に下りると南に突き出た先端は浴室でバスタブにつかりながら、太平洋を臨むことができる。西面に開放的な3部屋の個室は斜面に植栽されたオカメザサを眺め、静かで落ち着いた気分で過ごすことができる。
 外観は直交する白い大理石の箱が彫刻的なきれいなシルエットをつくっている。大理石は外壁、屋根、軒天共、乾式で張られ、裏側に空気、水を入れることを前提に設計され、細かいディテールが考えられている。外壁の大理石のテキスチャーは光の反射を計算しながら、磨き方をグラデュエーションが出るように変化させる、キメの細かい配慮もみられる。審査過程の中でこの週末住宅「PLUS」をどんな物差しで評価すればよいのか?という判断を迫られた。他と比べての、週末住宅の特殊性、贅沢な工事費、設計及び工事工期、等々。しかしながら、趣旨である「持続可能な社会」を目指すという時代要請に対応し、地域と環境に根ざした優れた作品という観点に立って、多くの審査員の指示を得て入賞に推挙された。
(清 峰芳)
主要用途 住宅
構  造
鉄筋コンクリート造
階  数 地下1階 地上2階
敷地面積
988.58u
建築面積
232.77u
延床面積
279.92u
設計者 MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO
  原田 真宏 ・ 原田 麻魚
施工者 大同工業株式会社

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