所在地 : 福井県吉田郡

 この住宅は、既存の棟に隣接してあった水回りの建物跡に作られたものである。従来からの庭とクラッシクな建物との関係の中で配置されている。玄関アプローチからの階段のアクセスは期待感と落ち着き感を与え、リビンングの大きな空間での見通しの開放感を演出するものとなっている。雪国であるが故の大きなガラスの開口は、光を存分に取り入れる装置であり、既存建物との程よい連続性を作り出している。コンクリートの壁と木のなす混構造は、安定感の中にリズムを与えていて、いつまでも立ち去りがたい心地よさを表現している。アトリエと寝室はガレージ上部の中2階となり、部屋からの庭の高木に対する眺めとともに、敷地の一体的な感触を与えるものとなっている。寝室に隣接した、玄関アプローチ上に作られたバルコニーは、風を誘い込み時に静寂で、時に躍動的な落ち着きをもたらしている。片ながれの屋根、外壁のコンクリートの構造体と木質系の柱や仕上げが程よい調和を保っている。福井の風土性を十分に折り込みながら居心地のいい空間を創り上げている。

( 堀越 哲美 )
主要用途 住宅
構  造
木造 一部鉄筋コンクリート造
階  数 地上 2階
敷地面積
355.37u
建築面積
177.42u
延床面積
199.13u
設計者 プラド建築事務所
施工者 北川建設株式会社

一つ前へ戻る