第37回 中部建築賞入賞・入選・特別賞作品選評

審査総評


藤木 忠善

 今年度で37回になる本賞の、中部圏からの発信という精神を継承しつつ、現在、私たちに課せられた社会的目標の中で、ユーザーの要求を満たし、地域と環境に根ざした優れた作品を見いだすことを念頭に選考が行われました。
 一般部門、住宅部門をあわせ97点の応募があり、第1次の審査は9月12,13日の両日に行われました。応募作品の提出資料を精査した後、投票と討議によって、一般部門17点、住宅部門6点の現地審査対象作品が選ばれました。
 現地審査は9月中旬から10月中旬にかけて行われました。現地審査に協力していただいた方々には心から感謝します。最終審査は10月18日に行われました。現地審査報告と意見交換の結果、入賞6点、入選10点、特別賞2点が選定されました。
 今年度の作品では、一般部門では、新しい構造による空間の提案、伝統建築の現代化への提案、付加価値による活性化の提案、緑化展示への技術的建築的提案、記念的でありながら親しみのある空間の提案など積極的な意図を持つ作品の他、機能や美しいディテールを追求した優れた作品がありました。住宅部門ではモダンリビングという型から脱し内外空間を等価的に扱うなど、住まい手の創造的な生活を期待させる作品が選ばれました。また、特別賞には、ユーザー参加型の建築プログラムに果敢に挑戦した中山間地の子供の交流施設、そして、歴史的な産業の遺構を博物館公園として市民の憩いの場として再生するという、それぞれの好例が選ばれました。
 以上、いずれも建築主の信頼を得た、また、中部建築賞の目的である地域社会に貢献でき得る優れた作品であります。最後に、本賞に応募された作品のすべてが、立派に運営維持され、地域の人々に愛される建築になることを願うものであります。

(藤木 忠善)

一つ前へ戻る