デッキハウス
 所在地 石川県金沢市
デッキハウス
 前面を擁壁とした傾斜地にたつ住宅である。アプローチ道路に対して玄関口とも言うべき広いスペースをとり、1階ピロティの駐車スペースの接続している。
 建物が敷地に対してL字型に配置され、玄関アーチと建物で囲われた中庭とも言えるヴォイド部分がこの豊かなスペースを生みだしている。道路からアプローチして建物へ連なる部分がこの空間が住宅全体の印象を柔らかくかつ豊かなものとしている。駐車スペースを抜けると1層目の擁壁上部のデッキに至る。これは樹木を抱いた庭として整備されている。室内は、玄関からのアプローチ途中にライトウエルがあり、将来のエレベーター設置の工夫も見られる。室内は柔らかい光に包まれるほど開放的な感覚を覚える。北国の冬の生活を意識して、広い空間の部屋も間仕切り出来る工夫がこらされている。
 屋上テラスも含めて、潜める空間も明るく、快適さが演出される。L字型であるが故に、空間の分節が巧みに行われ、居室と居室を結ぶ連絡ゾーンが重層化して動線が明快である。各階層にその名の通り、個性的なデッキがテラスとしてバルコニーとして設けられ、眺望の良さと内外部を結ぶそよ風の吹き抜ける道として、季節を感じる生活上の多様性を導いている。和室は主人の趣味を展開させたひとつの異空間でありつつ、安心さを誘うものへと昇華させている。
 近隣に対しても、アプローチ境界のアーチをはじめとするフェンスもグレーチングを巧みに配して、柔らかい仕切りを演出し、L字型の形状とファサードのテラスが適度の緊張を醸しだし、個性を示しつつもやさしい対応となっている。北国の住宅として夏の風が吹き抜け、冬の厳しさを生活として楽しめる、四季に対応した環境的住宅として優れたものと評価される。
(堀越 哲美)
主要用途 専用住宅
構  造 鉄筋コンクリート造
一部 鉄骨造
階  数 地上3階
敷地面積
201.96u
建築面積
107.22u
延床面積
204.52u
建築主 森 俊偉
設計者 (株)森 俊偉+ARCO建築・計画事務
施工者 みづほ工業株式会社
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