ka-residance
 所在地 愛知県名古屋市名東区
Ka-residence(Ka邸)
 名古屋市東部の丘陵地帯には、見渡すかぎり住宅地が広がる。この住宅はこうした丘陵地の一角に、若い夫婦のために建てられたものである。
 小高い丘のなかでも比較的高い場所に位置し、周辺の既存の住宅はどれも規模が大きく、その敷地規模もかなりゆったりした印象を受け、緑豊かで恵まれた立地環境である。
 この住宅の敷地は南西の角地に立地し、周囲の道路から1m余りの段差のある敷地だったという。そしてこの段差をそのまま利用した、平屋建ての広い中庭を有するコの字型の平面構成を成す。いわゆるコートハウス型の住宅が敷地いっぱいに形成されている。平面構成は西側道路に面して横長の大きな壁を造り、この壁から木格子戸を入れたガレージ出入口をとり、この中を横切るようにして住宅の玄関ポーチに至る。玄関内に入ると、敷地の段差を吸収するため小階段が設けられ、これを昇ると緩やかなヴォールト天井で覆われた、奥行きの深いLDKが広がる。このLDKの領域と対面する方向に、すなわち中庭を介しての領域は、夫婦寝室、書斎、子供室などのプライベートスペースを配する。そしてこの二つの領域を繋ぐかたちで、サニタリースペースが位置する。内部空間から見ての特徴的なところは、周囲の道路から住宅内部を窺うことはできないように開口部を極力見せないように造られた二つの壁の存在と中庭があげられる。ひとつは上述のガレージ出入口を付ける西側壁であり、もうひとつはLDK南面の開口部に平行して建てられた壁である。特に後者の壁は内部からは手すりの高さ程度で造られ、壁の内側に白い砂利を敷き詰めたテラスをつくって開放感を醸成し、道路面からは敷地の高低差が加わって完全に遮断している点である。また中庭においては内部との段差をなくしたウッドテラスとし、LDKからサニタリースペース、プライベートスペースと連続する3面を、天井からの床までの透明ガラスにすることによって物理的にも、視覚的にも、室内と一体化している点は高く評価される。
 外観構成は白を基調された外壁と二つの細長いヴォールト屋根が並行した形態を見せる、極めてシンプルな造形でまとめられている作品である。特にヴォールト屋根の造形は内部におけるLDKスペースとプライベートスペースの二つスペースが、そのまま造形として現れる構成である。そして、道路面に接した余白の地に少し起伏をつけた緑の芝生、要所に植えられた落葉樹は、白い外壁をバックに美しく映えている。それはあたかも白いキャンバスに描かれた絵画のようである。
(中森勉)
主要用途 専用住宅
構  造 鉄筋コンクリート造
一部 鉄骨造
階  数 地下1階 地上1階
敷地面積
291.36u
建築面積
145.02u
延床面積
165.43u
建築主 笠井 雅信
設計者 建築設計室 アーキスタジオ
施工者 株式会社 大村技建

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