石川県こまつ芸術劇場 うらら
 所在地 石川県小松市土居原町710
石川県こまつ芸術劇場 うらら
  この劇場はJR北陸線小松駅の立体化事業に伴う駅西土地区画整理事業によって小松駅に隣接して建てられている。劇場南は駅前広場となり、広場に面した南側と、旧市街地に向けた西側に玄関を設ける。また、東側南方の小松駅から劇場へは、雨天の多い北陸地方への配慮から線路に沿ってアーケードが設けられている。
 石川県小松市は能や歌舞伎で知られる「安宅の関」を抱え、現在も曳山子供歌舞伎や全国子供歌舞伎フェスティバルなどが開催されるなど、歌舞伎が盛んな土地である。この劇場は、歌舞伎を核として現代劇から音楽などにも対応したホール中心とした文化施設として建設された。
 敷地をほぼいっぱいに使用し、北側に歌舞伎を主目的とした851席収容の大ホール、南側には音楽を目的とした250席収容の小ホールを配している。両ホールとも浮き構造を採用し、JR側地中には遮音壁を設け、鉄道・航空機の遮音対策としている。また、南側には催事場・会議室・研修室・カフェを配している。
 大ホールは音響計画にも優れ、歌舞伎の空間を現代に創出するための手法として、壁面・天井に松葉などの和風モチーフを装飾として用いている。また、加賀の伝統工芸である九谷焼・山中漆器・牛首紬・小松りんずが随所に取り入れられるなど素材の使い方にも様々な工夫を行い、劇場という非日常的な空間をうまく演出している。
  この劇場は、設置者である石川県と管理運営を行う小松市の両者が協議しながら計画を進め、開館後も計画段階からの関係者が中心となって運営されている。そのため、開館後の運営にも良い結果が現れている。
 駅前という立地を生かし、劇場という空間を新しい素材やデザインによって創造しようとした試みが見事に表現され、新しい小松の顔となった施設である。
(高嶋 猛)
主要用途 劇場
構  造 鉄骨鉄筋コンクリート造
階  数 地下2階 地上4階
敷地面積
5,205.59u
建築面積
3,692.56u
延床面積
7,791.35u
建築主 石川県
設計者 株式会社 環境・建築研究所
施工者 鹿島・加賀建工・篠岡特定建設工事
共同企業体

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