N 家
 所在地 愛知県名古屋市東区
 この住宅は、名古屋市内の近隣商業地域に建つ、夫婦の他面住宅である。敷地は南北に細長い土地で、北側の前面道路以外の3面は4階建てを含む隣地建物に囲まれた過密な環境である。
 この家は中庭をコの字型に囲んで、ほとんど敷地一杯に建てられ、外装はメンテナンスを考えて屋根、側壁とも亜鉛メッキのキーストンプレートデ覆われている。1階に居間、ダイニングキッチン、浴室ナド、2階は三つの個室、トイレの他、二つの大型収納スペースがある。大きな土間を持つ玄関に続くファミリーホールと呼ばれる居間には、炉、天井スポットライト、簡易な可動パーティション、ピアノが備えられている。ここは家族が音楽と陶芸を楽しむと同時に、仲間が集う場として外に開かれた構えを持っている。
構造は木と鉄骨の混構造である。1階中庭まわりの隅柱を除き、居間、食堂と一体感を得るため、スパン8メートルの鉄骨トラスが2階中央を長手方向に縦断している。短編方向の剛性は、長手両側の壁全体に設けられた収納部分に取り込まれた4対の袖壁によっている。
暖冷房の負荷を軽減するため、冬季は昼間、小屋裏でつくられた暖気を各部屋に設置されたダクトを経て床下の土間コンに導いて蓄熱しながら、暖気を循環し、その一部を各部屋に吹き出す。夏季は小屋裏を開放し換気することで熱負荷を軽減しているが、各個室にはテラスがあり、網戸つきの床までの開口によって十分な横断通風も確保されている。
 過密な都市環境の中で、快適でプライバシーのある生活空間の要求に対して、中庭を最大限に生かすための大胆な構造、自然エネルギーの利用の方法、外に開かれた居間の試みなどが統合され、高いレベルの都市住宅になっている。
( 藤 木 忠 善 )
主要用途 住宅
構  造 木造(在来工法)
階  数 地上2階
敷地面積
146.43u
建築面積
104.49u
延床面積
174.59u
建築主 野 嵜 民 夫
設計者 株式会社 アール・アイ・エー
名古屋支社
施工者 株式会社 ユニホー

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