![]() 所在地 愛知県刈谷市天王町6丁目7 |
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刈谷城主水野家の菩提寺である曹洞宗・楞厳寺の修復・再建である。約10,000uの敷地全体を計画対象とし、主要な樹木帯を保存しながら平成の伽藍を完成させている。既存の建物の内、伽藍中心軸上にある南の山門と北の仏殿(本堂)と、及びその左手(西側)の稲荷堂・祠は改修・清掃して保存し、本堂背後の開山堂は部分保存の上新築された。これらの建物に加え、僧堂(座禅堂)・庫院(檀信徒会館)・書院・客殿・庫裏等の大規模で多くの木造建築が新築されている。 この再建には木造建築に対する法規制、現在の伽藍に求められる集会機能、保存建物の耐久性等、一般の建物とは異なる様々な意匠・計画・構造等の課題があった。この解決のため、伽藍の主要な建物の意匠は現存する社寺建築の調査・研究に基づいた伝統的様式によって、伝統的大規模木造建築の保存(補強)には「超耐久コンクリート」を活用した基礎補強等の現代の技術を活かして実施されている。 限られた予算を使いながら、木の持つ美しさと伝統的建築の持つ品格を表現した空間が随所に見られる。その基本には、この禅宗寺院を本来の信仰の場・禅の場とするために長年尽力された施主の強い想いがあり、それを可能にした設計者・施工者の力量が十分に発揮された建築として評価できる。 ( 高 嶋 猛
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