名古屋 クロイゾン スクエア
 所在地 愛知県名古屋市中区栄三丁目27−17
 名古屋市の商業施設集積地・栄を南北に通る大津通り西側に位置する。創業120余年の老舗安藤七宝店の建て替えに伴い、事業立案・企画段階から設計者が係わって新しい機能を導入してつくられた商業施設である。南北に細長い逆コの字型の敷地は、大津通りに面して南北の2カ所の入口を持っている。この敷地の特性を生かし、おのおのの入口は異なった表情を見せる。間口の小さい北入口は七宝店へのアプローチとなり、南入口は服飾のテナントの顔となっている。
 北入口からのアプローチを進むと、その正面に唯一の既存建物である土蔵を改修した資料庫が老舗の歴史を語るように象徴的に建ち、その左手前が七宝店の店舗となる。
 南入口は2階建の女性ファッションのテナントとして内部が見通せるガラスカーテンウオールが表皮となっている。このテナントの右脇を通って右手がカフェである。
 これら3つの店舗に囲まれた西側に旧店舗に使用されていた石を新しい使用法で再利用した中庭を築いている。各店舗はいずれも1階に入口を持ち、中庭に面して開放されている。この中庭に面して設けられた通路は夜間も開放され、都会に新しい潤いのある演出が行われている。庭の構成や素材の扱いは巧みであるが、庭に接する長い通路のエッジの扱いに一工夫欲しかったように思える。
 中庭から西を見ると、敷地西端部に計画されたラウンジ越しに高層のナディアパークがそびえる。許容容積率800%という立地条件の中で、容積率約100%で構成されたこの空間は都市の喧噪の中で潤いのある空間としつらえを見せている。高い技術と施工精度とともに、現代の都市における新たな商業空間を創造しようとした試みは高く評価でき、これからの都市や人間の空間のありかたの良い事例となることであろう。
( 高 嶋 猛 )
主要用途 複合商業施設
構  造 鉄骨造 
一部 鉄筋コンクリート造
階  数 地上2階
敷地面積
1,377.99u
建築面積
889.52u
延床面積
1,352.36u
建築主 株式会社 安藤七宝店
設計者 株式会社 竹中工務店 東京本店
施工者 株式会社 竹中工務店 名古屋支店

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