石川県西田幾多郎記念哲学館
 所在地 石川県河北郡津幡町字津幡エ14(石川県森林公園内)



 金沢市北方に広がる広大な石川県森林公園の南口に近い位置に、公園のインフォメーションセンター機能を持つ森林文化体験学習施設として木造で建設された。施設にはこれらの目的のため中央の交流パティオ(中庭)を中心に体験学習室、展示ギャラリー、体験教室や会議・コンサート活動のための学習ホール、レストランが配置されている。
  この施設は、敷地の旧状を復元するように大きくおおらかに弧を描いた大きな曲面屋根と、地場産の杉板による目板張りで覆われた外壁によって計画されている。その中で大きな前面の壁面には玄関庇と便所がアクセントとなって付けられている。鳥のくちばしを連想させる大きな三角形平面の玄関庇は大型バスでの乗降を可能とする規模であるが、全体のおおらかな形態に対してはやや違和感が感じられる。
 桁行(建物短手方向)を10間とし、梁間(建物長手方向)の両端部に巾1間半の木造立体フレームを設けて建物全体の剛性・耐力を負担させ、桁行中央部は1間ピッチで木造トラスを桁行方向に架けて巾7間の無柱空間を確保している。この立体フレーム部分には事務室や水廻り・機械室等の必要な閉鎖的な機能を配置し、無柱空間には施設の主用途である体験学習室・展示ギャラリー・学習ホールを配置し、全体的におおらかな空間となっている。この無柱部分は桁行端部、および中庭に向かって開放的な空間としている。桁行端部には大きな片引戸が設けられ、これを全開することにより間口いっぱいの大きな開口部となって屋外の自然へと続き、深い庇は雪国の自然から施設を守っている。施設中央部に設置された中庭は正面の西側駐車場から隔絶されて落ち着いた空間となり、東側の苑路へと続く。
 森林公園という自然環境に恵まれた場所に建てられる施設として、木造による見事な空間が創造された建築として評価できる。
( 高 嶋 猛 )
主要用途 森林公園の総合案内及び農林漁
業の情報発信基地
構  造 木造
階  数 地上1階
敷地面積
7,000.00u
建築面積
1,143.23u
延床面積
990.15u
建築主 石川県
設計者 水野一郎+金沢計画研究所
施工者 株式会社 表組

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