所在地 静岡県浜北市平口5042−133 |
浜名湖の北部に広がるゆるやかな南傾斜の丘陵に寄り添う様に、水平に、伸びやかに広がる建物。その屋上に薄い弧を描いて軽々と浮かぶ大小二つの銀傘。そこには大体育館の吃立した姿はない。大きな施設はすべて丘の裾野に姿を隠し、南面してゆるく緑の広場を囲むガラス張りの建物が体育施設の利用者を迎え入れる。大小二つのアリーナを囲むシースルーの建物内では人々がその付属施設をのびのびと動きまわり、語り合う姿が望まれる。 南東隅には、屋上広場に向かいゆるやかな階段が広場と共にメインアリーナ観客席に向かって人々を誘導する。更に広場は、建物北部に広がる丘陵につながり背後の丘と一体となり、丘の上に配された駐車場に結ばれている。広場に浮かぶ大小の体育館上部は円形のガラスに囲まれ、やわらかい光と広場に集う人々の視線をアリーナの中に四周から送り込む。 内部においては、細いパイプで構築されたアリーナの天井が美しい。又、V型に配されたパイプの柱が素直である。優れた構造がよりスポーティな軽快さをひきたてている。浜松の名物、空に舞う大凧の様に軽やかでスマートな建物である。空調、音響に対する処置も万全の様である。 大胆な構想に対し深い理解を示された浜北の市民の方々、又、難しい構造に挑戦された施工者に対し、敬意を表したい。 ( 田 邉 尚 美
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