童話から飛びだしたような 木の子のようなこの家は、近所ではかなり有名になっているようだ。中庭をぐるっと囲んだ回廊型の家である。
 住宅のサイズで中庭といえば、殆どが一方が外に開かれている状態にあるのが普通で 完全に囲まれている例は少ない。この2間*4間の中庭がこの家のアイデンティティになっている。4面を居室に囲まれ陶板タイルを敷きつめたこのスペースは、外部からはプライベートゾーンになり、家の中では居間の延長であり、ずっとここにいたくなるような空間である。土と木で仕上げた壁と、各居室間をつなぐあいまいな空間・・・・他目的ホールと呼んでいる・・・・や、1階と2階をつなぐ吹抜、スロープと段が入り混じった階段、川と鉄道が見えるルーフ付テラス等この夫妻独特の感性が見てとれる。子供の遊び心を実現した家といっているが、これは大人の遊び心と夢を実現した家で、個性豊かに住宅を追求しまとめた、また訪れたくなる作品。
( 田 中 楯 夫 )
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