道路に面して設けられた全面ガラス張りの待合空間は、行き交う人との間に木の水平ルーバー越しに自然な目線の交流を促しているようです。天井も高く、爽やかな色彩計画でまとめられたインテリアが南面からの日ざしを全面に受け、居心地の良い場所を提供しています。オリジナルにデザインされた待合の円形ソファーと、患者同志の視線に対する細やかな配慮がなされた配置のアレンジは、設計者の観察力と心遣いを感じさせます。
 また、待合から診察、処置、点滴・リハビリ室に到る動線上には、カーテンやローカウンター、光庭などの仕掛けを用いて、開放性と回遊性を兼ね備えた効率的な診療空間を実現しています。 小規模でありながら公共性の高い施設が地域におよぼす影響の大きさをあらためて考えさせられる建物です。
( 鈴 木 賢 一 )
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