山間の2万7千uの敷地に合う建物とは当然ながら低層化と木質系の立面構成であろう。 この建物はまず景観として、傾斜地を利用しながらその実現に力を入れている。
 南側の敷地のレベルが低いほうから、グランド、平屋の管理教室棟、2階の特別教室棟の配置となっている。また、背の高さが要求される体育館がメインアプローチ脇にあるのが気になるが、 建物内に床段差をつけない土地利用となっており、グランドから見るたたずまいはなじみやすいスケールとなっている。しかしながらグランドと校舎の接点はもう一工夫欲しいところである。
 この学校の一番の特徴は、コモンと称する共用スペースを積極的に屋外に取り入れていることであり、それはクラス単位空間の延長や、 学年ごとの交流、さらには社会性を学ぶスペースとして、「学年コモン」「学校コモン」が用意されていることである。このコモンという木の床や、芝生の外部空間スペース、あるいは廊下空間までとりこむ教室型コモンスペースが、 建築空間として明るく、快適で楽しい環境作りに役立っている。
 もう一つの特徴である連続した三角屋根は、木製の高い天井と、通風と採光を得て心地よい学習環境を得ている。
( 田 中 楯 夫 )
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