中央にはトップライトを持つ天井の高い廊下を南北に通す。この廊下はギャラリーの用途にも利用されている。  外観を特徴付けているのは、黒い杉の板壁(一部竪格子)である。西側駐車場から望むと、高さの異なった2層の壁が印象的であるのに対し、東側からは高い板壁の手前に集会関係諸室の低い板壁が幾枚か重なる異なった様相を見せる。この壁の重なりが全体を構成し、その素材は高い壁の内部である廊下にも使用されている。この中で、東側の壁を室内から離して開放的に扱われたロビー、視線を開放する中庭やテラス、およびトップライトが設けられた廊下など、共用部分では開放的な扱いとなっている。また、サインや家具にも気配りが見られる点や、住民参加形の施設造りという企画、仕上げ精度の良い施工も特筆しておきたい。
 木を多用し、独特の景観と光の扱いを見せる空間構成を表現した建築であり、企画、設計、施工ともに評価できると考えられる。ただ、木造とは感じられない空間構成を試みた結果であろうか、地区の集会施設というよりは展示施設に近い空間になっているように感じた。多雪地帯という地域特性と、木造の良さを生かした暖かみのある空間への配慮が必要であったのではないかと考える。
( 高 嶋 猛 )
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