敷地全体を利用した建築計画で、西高東低の差を用いて、地上1階、地下1階の低層の設計である。地階と中央のコア部分がRC構造で、一階四方の主空間となる開架書庫、閲覧空間は木構造として構成されている。
 寄せ棟の緩やかな瓦で葺かれた大屋根と、四方周囲の開放されたガラス窓、深い軒先、周囲に廻らされたテラスが、この建築の形態を特色付け、周囲の景観,文化、歴史に溶け込こもうとている。 
 玄関を入ると地階の会議室、休憩ラウンジへの吹き抜け空間と学習展示ホールが広がる。そして図書閲覧室に向かうアプローチされた空間は、V型の木組で組まれた吹き抜けの上部空間から光のシャワーを浴び、低目の書棚を透して低く流れた天井の先には、窓際の閲覧、読書コーナーが眺められ、窓をすかして外部の風景が映し出されている開放的な空間があり、清々しい空間を感じさせる。 この吹き抜けた空間は、四方の窓から風を呼びこみ、排出し外部空間との一体感を肌で感じることができるようだ。
 図書館として四方を閲覧空間、学習空間、親子の触れ合い空間として、外部空間との触れ合いを考えた計画は新鮮なものを感じる。
 構造と空間と環境の明確な分担区分がなされ、その一体感に安心感を与えさせている。
( 上 村 貞一郎 )
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