工場の主要部分は醸造施設であり、かなりの階高と丈夫な構造体を要求された。 構内、工場の内外は清潔感のある気持ちのよい作業空間になっている。 各棟の間を結ぶ配管類も透明なチューブでまとめられ維持管理と美観の点から工夫されている。 敷地中央のガラス屋根でカバーされた作業広場は、敷地の形から生じた不整形な路地風の空間となり、人間的な安らぎを与えてる。
 この工場のもつ量感をどう調和させるかも設計上の課題であった。 そのための手法として、第1は断面計画において高さの異なる各棟の高窓に曲面屋根を設けリズミカルな造形をつくりだすこと。 因みに高窓は換気、消音装置、採光、空調給排気などの機能を持つ。 第2は外壁タイルと目地を工夫して建物に漆喰塗りのような視覚的柔らかさを与えること。第3は建物外周に土盛りをして、敷地一杯まで緑化し、建物を周辺に馴染ませること。 これらの手法の実現によって屹立する建物の周辺への影響をやわらげることに成功している。
( 藤 木 忠 善 )
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