一切の装飾を退けて、風と緑、光と水といった自然との対峙の中で死という現実と向い合う場を実現している。 公共建築として、発注者の高い見識とそれに応えた設計者の見事な技量を伺える作品である。
 内外装も壁はコンクリート打放、珪藻土刷毛引、大理石やステンレスコルゲートパネル、床は花崗石や玄昌石、無垢の鋼製建具や天然木の造作等各部位共耐久性に優れた材料を選び、素材の劣化は問題ではなく、むしろ経年変化がその存在を主張する表現方法がすばらしい。
 それにしても最近これほど美しい色のコンクリート打放も珍しいが、その施工技術の高さとともに羨ましく思えた。
( 森 口  雅 文 )
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