この建物の特徴は、安価な輸入材に頼ることなく我が国固有の優れた木造建築を見直すための地道な努力が様々な形で結集していることにある。国内市場に流通する木造住宅用部材を積極的に使用することにより、既存の工具と技能、構法の積極的活用の場を実現したことである。地域の大工職の伝統技能を生かすために、各施設が要求する機能にしたがってセンターゾーンとテクニカルゾーンでは面格子構造を、森の体験ゾーンでは樹状立体トラス架構を、宿泊ゾーンでは壁式構造を採用している。多数の相欠き接点を有する面格子は木特有の「ねばり」を引き出している。大スパン空間では、大断面集成材と接合金物を一切用いないで、乾燥丸太材によるダイナミックな立体トラスが採用されている。
( 鈴 木 賢 一 )
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