岐阜市立女子短期大学 移転改築工事所在地 :岐阜市一日市場北町7番1号 |
この大学は岐阜市の大学将来計画構想に基き、岐阜県西北・伊自良川河畔の敷地に移転拡充整備されたものである。 大学敷地の四周は市道に囲まれているが南面市道のみ旧堤の上を走るため敷地より2mほど高くなっている。また、敷地の南西隅には巨木の残る小公園が、また、南東側には市道を介して地区の公園がある。今回の計画では南面市道沿いに平屋のサークル活動室を設け、その屋上を緑化することにより、南側市道の高さを消し、東西両公園をつなぐ緑豊かな広場を生み出すことに成功している。今後、この広場は市民に開かれた公開空地として、また、学生の集いの場としておおいに活用されるであろう。尚、サークル活動諸室の光庭のケヤキが大きくなるころの景観が楽しみである。 さて、建物に目を移そう。この緑地〔公開空地〕のある広場を囲むように、まず市民開放施設である円形の食堂が、ついで其の北に、45°斜に体育館、そして東側に市民開放メインの図書館+講義棟が配置されている。広場北には本館が東西に伸びている。広場から見る四つの建物には夫々の個性がある。特に図書館+講義棟は 上の三層に紗のようなルーバーをまとい下部二層のコンクリート製シリンダーの上に軽々とすわている。これに対し本館および本館の北側東寄り3棟の実習棟は東西3mの柱間と、南北10mの奥行き、そして高さを共有する、さらりと美しく整理された建物群である。 本館のピロティから中へ、幅13m程の南北に校舎を結ぶ連結棟の扱いが抜群である。縱メの動線である廊下、階段、その間に散在する大小のよどみの空間。またそれらを引き立てる吹きぬけ、光庭、リズミカルに組み立てられた変化のある、そして静と動が共存する美しい見事な空間である。 |
|||||||||||||
(田邉 尚美) | |||||||||||||
|
|