珠洲の住宅所在地 :石川県珠洲市 |
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この住宅は500坪の広大な敷地を持ち、設計者にとっては、ほとんど制約のない状態でどのような設計をするかが最大の課題であったと思われる。言い方を変えれば、本当に快適に生活できる空間とは、あるいは良い住宅とはどのようなものであるか、根源的な部分で設計者の資質が問われる課題ではないかと考えられる。 通常の都市型の住宅では、狭い敷地をいかに効率よく使うかを工夫してできるだけ無駄を無くす設計を心掛けるであろうが、設計者はこの住宅をその反対に位置付けている。「無駄を空間に取り込む」発想で、各部の寸法も余裕を持っておおらかに決められ、玄関ホール、ダイニング、リビング、寝室などの空間ボリュームを充分にとっている。 住宅全体の空間は明確に3つのゾーンに分けられている。玄関の右がお祭り用のパブリックスペース、左が家族のプライベートなスペース、パブリックスペースの2階が若夫婦のスペースとなっている。パブリックスペースは広い玄関と10畳と8畳の和室の続き間及び仏間により構成されていて、お祭りの時期に訪れる多数の訪問客のための接客空間である。年に1回のお祭りが最大の楽しみである能登地方の生活にとって必須の空間である。敷地周辺では、塀を塀を立てずに、土手を盛り上げることにより外部との視線を遮断している。 広い敷地に恵まれた条件で規模の大きい住宅であるが、華美に走らず、むしろ質素ともいえるシンプルな外観にまとめ、ほとんど制約がないという条件に対して設計者から出された提案として充分に評価できる。 |
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(松下 聡) | |||||||||||
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