愛東町総合福祉センター じゅぴあ所在地 :滋賀県愛知郡愛東町大字妹29 |
この総合福祉センターは愛東町の一角にまとめられた3つのゾーンのうちの1つである。駐車場兼イベント開催の場であるオープンスペースを取り囲むように、健康福祉ゾーン(総合福祉センター、診療所、防災センター)、行政文化ゾーン(役場庁舎、図書館、文化センター、商工会館)、産業振興ゾーン(マーガレットステーション=道の駅)が配置されている。総合福祉センターは保険サービス部門、福祉サービス部門、在宅介護支援サービス部門、介護保険部門を統合し、ふれあい交流サロンに面した総合受付(役場健康福祉課、社会福祉協議会、在宅介護支援センターを1ヶ所に集めた)により、住民に対してすべてのサービスを1ヶ所の窓口で提供することを目的として計画されている。 空間構成としては、切妻の大屋根をゾーンごとに組み合わせ、平入りのアトリウム空間で結んだ形態をとっている。この種の施設は平屋建てにすれば使い易いことはわかっていても、なかなか敷地条件が許さない場合が多く見られるが、ここでは余裕のある敷地にすべて平屋の構造で配置され、自力で移動できるすべての利用者にとって、施設内の各部門への移動が用意である。アトリウム空間にはふれあい交流サロン、せせらぎや喫茶コーナーが設けられ、コミュニケーションの場となっている。 技術的な面では、昔の土蔵のように「さや屋根」と呼ばれる二重構造の屋根にして、屋根面に受ける熱を夏は排熱、冬は空調機に取り込むことを可能にし、居住部分への熱負荷を小さくし、省エネルギーの工夫が為されている。また、屋根材には熱伝導率の良い銅板を採用し、屋根に残る残雪を少しでも早く溶かすように考えられている。 この施設は年間を通してコンスタントに利用され、この審査で訪問した際にも多くの住民が利用しており、福祉関係の部門を統合してサービスするというねらいが地域の住民にも充分受け入れられていると考えられる。 |
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(松下 聡) | |||||||||||||
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