岐阜県先端科学技術体験センター
サイエンスワールド

所在地 :岐阜県瑞穂市明世町戸狩字大狭間54
 この建物は岐阜県瑞浪市の北郊丘陵地の市民公園隣接地で、かつ、土岐川支流の小河川沿いにたてられた、子供向き先端科学技術体験学習施設である。即ち、未来を背負う子供たちに科学する心を、科学する楽しさを、その実験と体験をとおしてつたえようとする新しい試みをもった科学館である。
 遠心分離器の形をイメージしたといわれるシンボリックな円筒状建築物をささえるピロティを通り抜け、室内へ。一階左手は川に面して弧状吹きぬけのガラス張りアトリウム、中央はオープンな図書コーナーと階段教室、そして右手はガラス張りの研究、準備室、子供たちも利用できるシアターの実験装置をつくる工房。また、二階には科学実験をショーとして見せる実験シアターと化学実験を体験できる四つの実験室、そして実験室とガラスで区画された共通のバックヤード等がきわめて機能的におかれている。
 即ち、すべての部屋(含 設備機械室)が視覚的に開放されており、子供たちにとっては実験の準備の段階から、更に館内の空気や水の流れまで学ぶことができるすばらしい施設である。
 また、アトリウムは多数の出入り口により川にむかって開かれており、先端技術と自然のかかわりを子供たちに感じさせる場所になりそうであるが、前庭が狭いのが残念である。加えて、親水という観点からは子供の施設だけに安全を考え、遊歩道沿いにせせらぎが取り入れられなかったかと思う。
 最後に、構造に関係するがエントランス中央の柱が非常に気になった。円筒型平面を持つエントランス外壁を柱に置き換える方法もあったような気がする。  
(田邉尚美)
構  造
鉄筋コンクリート造
一部鉄骨造
階  数 地上3階 地下1階
延面積 
5970.15u
建築主  岐阜県知事
 梶原拓
設計者  仙田 満+
 環境デザイン研究所
 代表取締役 仙田 順子  
施工者  大日本・野平
 特定建設工事共同企業体
 代表者
 大日本土木株式会社
 代表取締役 鬼頭徳就
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