O-HOUSE

所在地 :岐阜県羽島郡岐南町
 子供を社会に送り出した夫婦二人のための住宅設計が、途中から子供家族と同居する住宅設計へと変化し、この住宅のメインテーマとなる。フラット屋根で打ち放しコンクリートの風貌であるが、2階の外壁は杉板の堅羽目板張で防腐処理し、一階部分は打ち放しコンクリートで部分的に吹付けコンクリートである。この外壁での材質感の対比が微妙で面白い。平面計画で、一階部分には二つの矩形が平行に配置され、それを直角方向につなぐように2階がかけられ、その下が居間になっている。一階の東側の矩形が親夫婦の領域、二階は子供家族の領域である。西側の矩形は和室と予備室、収納、ダイニングがある共通の領域で、その屋上部分が子供家族のテラスとなっている。このようにそれぞれの夫婦の領域設定は明快である。居間は南北に開放的で、大きなガラスを通して外部へと連続している。居間の前庭は、コンクリートの塀で矩形に囲われ、外からの視線を遮っている。前庭はタイル舗装されて600mm高くしてあり、内側からの塀の閉鎖感を無くしている。そのため庭の床面は居間よりも高くなっており居間から庭への視覚的連続感を高めている。このレベル差は空調設備や配線、排水空間としても有効に利用されている。2階のアトリエへの一部吹き抜けはあるものの、基本的には水平方向への広がりを重視した平面計画である。内部はシンプルで材料も経済性も考慮したものになっている。横引きのドアが、閉鎖時には内部の部屋の存在を感じさせない様にしてある点は設計者の洒落っ気を感じさせる。  
(松本直司)
構  造
鉄筋コンクリート造
鉄骨造
階  数 地上2階
延面積 
324.55u
設計者  大建設計met
 鈴木智子+えいじ
施工者  建設株式会社 雛屋建設社
 取締役社長 桑原孝吉

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