この建築は夫婦と小さい子供のための
住宅であり、建築当初より施主は家族のライフステージに合わせて住み替えることを前提に考えている。それだけに、実に大胆で明快な構成である。長方形の細長い敷地敷地の前後を駐車スペースと庭に当てて、敷地いっぱいに建てられたボリューム感のある建物である。駐車スペースは鉄骨と鉄板で壁と屋根が作られた簡易なものである。不思議にっきりして好感が持てる。壁は全体的に色がハイグレーで単調だが、一部開口部分に青緑色のペイントが塗られ暖かみを与えている。曲線は大屋根は折れ曲がり部で
2カ所天窓天窓となっている。玄関は屋上は子供部屋からの小さなバルコニーとなっている。玄関は向こう側に突き抜けられ外からも風呂場に入れるようになっている。建物中央の大空間はこの建築のメインであり、東側は台所、風呂場、玄関、さらに屋根裏の子供部屋のボリュームで、西側は収納と階段のボリュームで挟まれている。天井は、南のめいっぱい開かれた開口からせり上がり、2階の和室へと広がっている。空気が全体的につながっているという感じである。内部はほぼ白色で、横長スリット状の天窓から光が差し込みとても明るい。壁に規則的に取り付けられた白熱灯が点灯すると、白色の壁に柔らかな黄色い光を投じる。無彩色ゆえに微妙な光の変化が鮮やかで見事である。全体的に余分な装飾はない。飾りのない杉板の階段は、洗練されたデザインセンスを感じさせる。すっきりした空間は収納空間の多さと無縁ではない。引き戸などの開口扉は機能上様々な工夫がされ、これはどうなっているのだろうと考えさせられて実に楽しい。 |