松任市庁舎

所在地 :石川県松任市倉光二丁目1
 市民の集会、作品展示、発表会などのアクティヴィティを容れる市民交流センターを西側に庁舎を東側に配し、その双方の上部、5〜7階をメガトラスによるブリッジで繋ぎ、ブリッジ部5階は連絡通路、6〜7階を議場に充てた構成である。ブリッジ部に覆われた下部は市民交流センターと庁舎のエントランス広場とし、これをコミュニティ・プラザと名付けて屋外の市民交流の場としている。このことによって、庁舎全体は大きさ門のような形態をなし、高いシンボル性を持ったデザインとなっているが、コミュニティ・プラザを通り抜けて噴水、親水公園のある北側広場、築山やサンクン・ガーデンを配する南側広場が連続しているので、建物が通過点の印象を与え、シンボル性につきものの威圧感、巨大感が和らげられ、却って親近感を創り出しているのは評価出来る。庁舎部分の計画は建物両端に階段室、EV、水関係をコアにして配置し、中央を市民通路としその両側に各事務コーナーを並べる標準的な平面で、破綻なく手堅く纏まっているが、カウンターの高さなど、市民からの視線に対し極力抵抗感を与えない様なデザイン上の配慮がなされている。市民交流センターは多様な形態の催し物、また市民アクティヴィティに対応すべく、空間のフレキシビリティに重点をおいた計画がなされており、このような施設としては小規模であるにも係わらず成功している。外観のデザインはガラスと天然石の対比を過不足なく扱っていて調和がとれている。全体的に施工の精度は非常に緻密であり、このことによってこの調和も可能となっている。また、北陸初のメガトラスのリフト・アップ 工法であったことも評価される
(竺 覚暁)
構  造
鉄筋コンクリート造
一部鉄骨造
階  数 地上7階 地下1階
延面積 
18,211.47u
建築主  松任市長
 角光雄
設計者  株式会社 久米設計
 代表取締役 櫻井 清
施工者  竹中・真柄・兼六・西内
 特定建設工事共同企業体
 代表者
 株式会社 竹中工務店
 北陸営業所
 所長 砂田弘司

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